梅雨明けを迎えると、本格的な台風シーズンが始まります。
欧州車に乗っている方にとって、この時期に気を付けたいのは猛暑だけではありません。強い横風や集中豪雨、冠水した道路など、急激に変化する路面環境は、車の足回りに大きな負担をかけます。
なかでも、乗り心地や走行安定性を支えるショックアブソーバー(ダンパー)は、日頃の走行で少しずつ性能が低下していく消耗部品です。台風シーズンを迎える前に一度状態を確認しておくことで、思わぬトラブルを防げる可能性があります。
今回は、今の時期に足回りを点検しておきたい理由と、ご自身でも確認できるチェックポイントをご紹介します。
1.2026年は8月以降の台風に注意
日本気象協会の長期予測では、2026年は8月を中心に台風が日本へ接近する機会が平年並み、またはやや多くなる可能性があるとされています。
さらに9月以降は、海上で発達した勢力の強い台風が接近する可能性も指摘されています。台風の数だけでなく、一つひとつの規模にも注意が必要なシーズンになりそうです。
大雨による冠水や見えない段差などは、ドライバーが慎重に運転していても避けられない場面があります。だからこそ、本格的なシーズンが始まる前に足回りの状態を確認しておくことが大切です。
2.大雨で増える足回りへのダメージ
大雨や台風では、実際にどのようなトラブルが起きているのでしょうか。
JAF(日本自動車連盟)の2025年度ロードサービス統計では、出動理由の上位は「バッテリー上がり」「タイヤのパンク」「落輪・落込」で、この3項目だけで全体の約69%を占めています。
特に注意したいのが「落輪・落込」です。
冠水した道路では路肩や段差、マンホールが見えにくくなり、思わぬ衝撃がサスペンションやショックアブソーバーに伝わることがあります。状況によっては足回りを損傷し、修理が必要になるケースも少なくありません。
お盆など長距離移動が増える時期は、こうしたトラブルが起こるリスクも高まります。
3.欧州車は足回りの状態が走りに表れやすい
欧州車の足回りがしっかりしていると感じられるのは、高速走行時の安定性を重視した設計が採用されているためです。
また、多くの車種では大径ホイールや扁平タイヤが装着されています。これらは優れた操縦安定性をもたらす一方で、タイヤ自体が吸収できる衝撃は比較的小さく、その分ショックアブソーバーが重要な役割を担います。
そのため、ショックアブソーバーの性能が低下すると、
段差を越えた後の揺れが収まりにくい
ブレーキ時に車体が大きく前へ沈み込む
高速道路でふらつきを感じる
雨の日の接地感が薄く感じる
といった変化が現れることがあります。
普段は気にならない程度の劣化でも、台風時のような厳しい路面状況では違いがはっきり表れることがあります。
4.自分で確認できる5つのチェックポイント
専門的な知識がなくても、普段の運転や目視で気付けるポイントがあります。
- ① 段差を越えたあとに揺れが続く——段差を越えたあと、車体が何度も上下に揺れるようであれば、ショックアブソーバーの減衰力が低下している可能性があります。
- ② ブレーキ時の沈み込みが大きい——以前よりノーズダイブが大きくなったと感じる場合も、劣化のサインかもしれません。
- ③ タイヤが偏って摩耗している——タイヤの内側や外側だけが極端に減っている場合は、足回りの状態やアライメントに異常がある可能性があります。
- ④ ショックアブソーバーにオイル汚れがある——ホイールの隙間からショックアブソーバーを確認し、本体にオイルのにじみや汚れが見られる場合は、内部シールの劣化が考えられます。
- ⑤ 5万kmまたは5年以上使用している——特に異常を感じなくても、新車から5万km以上、または5年以上経過している場合は、一度点検を受けておくと安心です。
※交換時期は車種や使用状況によって異なります。詳しくは別記事でご紹介しています。
5.台風が来る前の点検が安心につながる
ショックアブソーバーは、普段の街乗りでは劣化に気付きにくい部品です。しかし、大雨や冠水路、見えない段差など、足回りへの負担が大きくなる状況では、その性能差が走りや安全性に影響することがあります。
「最近乗り心地が変わった気がする」「揺れが大きくなったかもしれない」と感じたら、一度専門店やディーラーで点検を受けてみることをおすすめします。
台風シーズンは毎年やってきます。安心して夏のドライブを楽しむためにも、今のうちに足回りのコンディションを確認しておきましょう。
- 日本気象協会 tenki.jp「2026年の台風傾向」(2026年6月)
- JAF「よくあるロードサービス出動理由」「ロードサービス内容」(2025年度データ)
- ベストカーWeb「もしもの対策できてる? お盆のJAFロードサービス件数増加」(2025年9月)
- 輸入車整備専門店 rac tokyo による欧州車サスペンション設計に関する解説
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