今週末、大型の台風25号が関東に接近する見通しです。気象庁や各気象会社の予報によると、台風は20日(日)から21日(月・祝)にかけて関東へ接近し、関東南部や千葉県などを中心に警報級の大雨・暴風・高波となる恐れがあるとされています。20日から21日にかけては道路の冠水が発生する可能性も指摘されており、外出中にたまたま冠水した道路に居合わせてしまうケースも考えられます。

この記事では、公的機関やJAFが公表している情報をもとに、冠水路に遭遇してしまった場合にどう対処すればよいかを整理します。

1.車が走行できる水深の目安

JAFのユーザーテストによると、水深30cmであればセダン・SUVタイプともに時速10km・30kmでの走行が可能だったのに対し、水深60cmになるとセダンタイプはフロントガラスの下端まで水をかぶり、時速10kmでしばらく走行できたものの途中でエンジンが停止し、SUVタイプも時速30kmでは走行できなかったと報告されています。

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水深30cm

セダン・SUVとも時速10km・30kmで走行可能

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水深60cm

セダンは途中でエンジン停止、SUVも時速30kmでは走行不可

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水深60cm

セダンのドアが水圧で重くなり開けられなくなる

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水深60cm以上

車体が浮きはじめ、ハンドル・ブレーキが効かなくなる

一般的に、乗用車が走行可能とされる水深は「ドアの下端、つまり車の床面が浸からない程度」とされています。また水深が上がるとエンジンルームの吸気口から水を吸い込みやすくなり、速度を出すほどエンジン停止のリスクも高まるとされています。

濁った水では水深を目視で判断することが難しいため、高架下・線路のガード下・立体交差のアンダーパスなど、周囲より低い場所は冠水しやすく、大雨時にはできるだけ迂回することが基本とされています。


2.水位が急に上がってきたときの初期対応

走行中に前方の水位が急に上がった場合は、可能であれば水が浅いうちに引き返すことが基本です。無理に前進・後退の判断を急がず、周囲の車や歩行者の状況も確認しながら、より高く安定した場所を目指して停車することが推奨されています。

⚠️ エンジンが停止したら再始動しない

万が一エンジンが停止してしまった場合、何度も再始動を試みるのは避けるべきとされています。吸気系にすでに水が入っている状態でエンジンを再始動しようとすると、エンジンの損傷をさらに大きくする可能性があるためです。


3.車内に水が入ってきた場合の脱出手順

JAFの解説によると、車内に浸水が始まったら、まずエンジンを止めることが基本とされています。ただし、パワーウィンドウを使って脱出する可能性がある場合は、エンジンを切る前に先に窓を開けておく必要がある点には注意が必要です。エンジンを切ってしまうと、車種によってはパワーウィンドウが作動しなくなることがあるためです。

水位が低く、ドアを開けて安全に移動できるうちであれば、シートベルトを外し、同乗者の状態を確認したうえで、スマートフォンなど最小限の持ち物だけを持って避難することが望ましいとされています。荷物を取りに車内に留まる時間はできるだけ短くすることが重要です。

外の水位が上がり、車内外の水圧差が大きくなると、ドアを開けることが非常に難しくなります。JAFのユーザーテストでは、セダンの場合水深60cmでドアが重くなり開けられなくなったことが確認されています。この状態になった場合は、窓が動くうちに窓を開けて脱出する、あるいは緊急脱出用ハンマーで窓ガラスを割って脱出する方法があります。

⚠️ 「合わせガラス」は脱出用ハンマーでも割れないことがある

一部の車種ではフロントガラスと同様の「合わせガラス」がドアガラスにも使われており、この場合は緊急脱出用ハンマーでも窓を割ることができないことがJAFのテストで確認されています。自分の車のガラスの仕様を事前に確認しておくことも、いざというときの備えになります。

ドアも窓も開かない状況になってしまった場合でも、慌てず落ち着いて行動することが重要です。車内に水が入り、車外との水位差が小さくなるにつれてドアにかかる水圧も小さくなるため、ドアが開けやすくなるタイミングが訪れます。自動車は思っている以上にすぐには沈まないとされており、そのタイミングを逃さず、大きく息を吸い込んでから一気にドアを押し開けて脱出することが推奨されています。

乳幼児や高齢者、体の不自由な方が同乗している場合は、状況が悪化する前の早い段階で119番に通報し、状況を伝えておくことも重要です。


4.水が引いたあと、絶対にやってはいけないこと

車内が浸水してしまった場合、水が引いたあとであっても、自己判断でエンジンをかけて車を動かそうとするのは避けるべきとされています。見た目に問題がないように見えても、エンジンや電装系、車種によっては高電圧システムに重大な損傷が生じている可能性があり、感電や車両火災につながる危険があるためです。まずはJAFのロードサービスや販売店、整備工場、保険会社に連絡し、専門家の判断を仰ぐことが基本になります。

なお、これは走行中に冠水路で水没した場合だけでなく、河川の氾濫などで駐車していた車両が水没した場合も同様です。


5.まとめ

短時間豪雨による道路の冠水は、どれだけ注意していても、走行中にたまたま巻き込まれてしまう可能性があります。「無理に進まない」「水位が上がったら早めに脱出の判断をする」「水没後は再始動しない」という3つの基本を知っておくことが、いざというときに命を守ることにつながります。ご家族や周りの方とも、ぜひこの情報を共有してみてください。

出典
  • 日本気象協会 tenki.jp「大型の台風25号 21日(月・祝)頃に関東に最接近か」(2026年9月18日)
  • ウェザーニュース「台風25号(ドゥージェン) 暴風域伴い関東接近」(2026年9月18日)
  • FNNプライムオンライン「台風25号は21日に関東接近か」(2026年9月18日)
  • JAF「自動車が冠水路や高潮で浸水してしまったら?」(JAFクルマ何でも質問箱)
  • JAF「自動車が水没したときの対処と脱出方法とは?」(JAFクルマ何でも質問箱)
  • JAF Mate Online「車が走れる水深はどれくらい?」(JAFユーザーテストのデータ)
  • CAR CARE PLUS「車が水没すると、何が起こる?」(2026年8月)