融雪剤はサスペンションを「壊す」のか?
冬になると整備工場などでよく聞かれるのが、
「融雪剤って足回りに悪いんでしょ?」
「サスペンションがすぐダメになるって本当ですか?」
結論から言えば、融雪剤が直接ダンパーの内部を壊すわけではなく、金属部品やゴム部品の劣化を早める可能性はあります。
日本の道路で使用される主な凍結防止剤は、塩化ナトリウムと塩化カルシウムです。
これらは金属の腐食を早める性質があります。
この点については、国土交通省などの資料でも、塩化物が鋼材腐食を加速させることが書かれています。
サスペンションの何が影響を受けるのか
サスペンションは足回りの部品群の総称で、主に以下の部品で構成されています。
・ダンパー(ショックアブソーバー)
・スプリング
・マウント
・ブッシュ
・各種ボルト・アーム類
このうち、融雪剤の影響を受けやすいのは主に以下です。
金属部品(スプリング・ボルト・ブラケット)
塩化物が付着し、水分が存在すると電気化学反応が起こり、腐食が進みます。
特に塗装や防錆皮膜が傷ついた部分では進行が早まります。
ダンパー外筒・ロッド部
ダンパーのピストンロッドは通常クロームメッキなどの防錆処理がされています。
しかし、表面に傷がある状態で塩水環境にさらされると、腐食が進む可能性があります。ロッドに腐食が発生すると、シール部を傷つけ、結果としてオイル漏れの原因になることがあります。
ゴム部品(ブッシュ・マウント)
塩化物そのものがゴムを即座に破壊するわけではありませんが、泥・水分・塩分が付着した状態が続くことで、経年劣化を早める可能性があります。
ただし、ここについては腐食ほど明確な実験データは多くなく、「劣化を促進し得る」というレベルの表現が妥当です。
ダンパーが効かなくなる主因は、内部オイルの劣化やシールの摩耗、バルブ機構の摩耗であり、これらは通常の使用による経年変化ですが、それとは別に、融雪剤は外側からの劣化リスクを高める要因になります。
特に
・下回り洗浄を行わない
・傷や塗装剥がれを放置する
・長期間塩分を付着させたままにする
といった条件が重なると、影響はより大きくなります。
融雪剤を過度に不安視する必要はありませんが、融雪剤を撒く寒冷地では下回りの管理が重要になるのは事実です。
これから春に向けて、下回りのクリーニングを検討してみてはいかがでしょうか?