お盆や夏休みは、実家への帰省や旅行などで長距離ドライブを予定している方も多い季節です。

普段は近所の買い物や通勤が中心という車でも、この時期は家族全員が乗り込み、荷物も満載というケースが少なくありません。高速道路での長時間走行や渋滞も重なり、車には普段以上の負担がかかります。

なかでも見落とされやすいのが、乗り心地や走行安定性に関わる足回りです。

今回はJAFのロードサービスデータを参考に、お盆シーズンにトラブルが増える背景と、出発前に確認しておきたい足回りのポイントをご紹介します。

1.お盆はロードサービスの依頼が急増する時期

JAF(日本自動車連盟)が公表した2025年のお盆期間(8月9日~18日)のデータでは、ロードサービス受付件数は76,087件。前年より1,000件以上増加しました。

そのうち72,976件は一般道路で発生しており、高速道路よりも市街地や幹線道路でのトラブルが目立っています。また、帰省ラッシュやUターンラッシュのピーク日には救援依頼が集中しました。

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76,087件

2025年お盆期間の受付件数(前年より1,000件以上増加)

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72,976件

そのうち一般道路で発生(高速より市街地・幹線道路が目立つ)

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豪雨被害の影響も

2025年は熊本県をはじめとする豪雨で冠水トラブルも多く発生

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上位3つで約7割

バッテリー上がり・タイヤのパンク・落輪が出動理由の中心

さらに2025年は熊本県をはじめとする豪雨の影響で、冠水によるトラブルも多く発生しています。一方で、出動理由の上位は例年と大きく変わらず、「バッテリー上がり」「タイヤのパンク」「落輪」が全体の約7割を占めています。

こうしたトラブルの背景には、長距離走行そのものだけでなく、日頃の点検不足が影響しているケースも少なくありません。普段は気にならなかった小さな不具合が、長時間の運転をきっかけに表面化することがあります。


2.帰省ドライブが足回りを酷使する理由

街乗りでは問題なく走れていても、お盆の帰省では車の使われ方が大きく変わります。

まず、家族や荷物をたくさん積むことで車重が増え、サスペンションやショックアブソーバーには普段より大きな荷重がかかり続けます。

さらに高速道路では、細かな路面の凹凸や継ぎ目からの振動を長時間受け続けることになります。短時間では気にならない負荷でも、何時間も続けば部品への負担は小さくありません。

加えて、お盆特有の渋滞では発進と停止を繰り返すため、ブレーキやサスペンションへの負荷が増え、暑さによる熱の影響も受けやすくなります。

その結果、次のような症状が現れることがあります。

「街乗りでは気にならなかったのに、高速道路で乗り心地が悪くなった」

「段差を越えるたびに異音がするようになった」


3.出発前に確認しておきたい5つのチェックポイント

長距離ドライブの前には、次のポイントを確認しておくと安心です。

  • ① 段差を越えたあとの揺れ方——段差や道路の継ぎ目を越えたあと、車体が何度も揺れ続けるようなら、ショックアブソーバーの性能が低下している可能性があります。
  • ② ブレーキ時の沈み込み——ブレーキを踏んだときに、以前より車の前側が大きく沈み込むように感じる場合も、足回りの劣化が疑われます。
  • ③ タイヤの偏摩耗と空気圧——タイヤの内側や外側だけが極端に減っていないか確認しましょう。偏摩耗がある場合は、アライメントのずれや足回りの不具合が隠れていることもあります。空気圧は車両指定値を確認し、荷物を多く積む場合はメーカーが定める条件に合わせて調整しましょう。
  • ④ ショックアブソーバー周辺の状態——ホイールの隙間から確認できる車種であれば、周辺にオイル漏れがないか見ておくのも有効です。漏れが確認できる場合は、本来の性能を発揮できていない可能性があります。
  • ⑤ 普段との違和感——ハンドル操作や乗り心地に「なんとなく違う」と感じることはありませんか。異音や振動、ふらつきなど、小さな違和感でも長距離では症状が悪化することがあります。少しでも気になる場合は、出発前に点検を受けておくと安心です。

4.運転中に異変を感じたらどうする?

走行中に足回りからゴトゴト音やギシギシ音が聞こえたり、高速道路で車体が落ち着かずフワフワすると感じたりした場合は、そのまま走り続けるのは避けましょう。

まずはパーキングエリアやサービスエリア、安全に停車できる場所でタイヤや車両の状態を確認してください。

異常が続く場合は、無理に目的地まで走ろうとせず、ディーラーや整備工場、JAFなどのロードサービスへ相談することをおすすめします。


5.まとめ

お盆の帰省や旅行は、交通量が増えるだけでなく、車にとっても一年の中で負担が大きいシーズンです。

タイヤやバッテリーは気にしていても、足回りは異音や乗り心地の変化がない限り点検の優先順位が下がりがちです。しかし、高速道路や渋滞が続く帰省ドライブでは、その小さな異変が思わぬトラブルにつながることもあります。

安心して長距離ドライブを楽しむためにも、出発前に一度、足回りの状態を確認しておくことをおすすめします。

出典
  • JAF「よくあるロードサービス出動理由」(2025年度データ)
  • JAF「ロードサービス救援データ」「ロードサービス内容」
  • ベストカーWeb「もしもの対策できてる? お盆のJAFロードサービス件数増加」(2025年9月)